お知らせ・コラム


2025.03.05
COLUMN
日常生活でも使える? 介護の現場で学んだこと
はじめに
みなさんはふとしたときに「あ。これって仕事で経験したことが役立っているかも」と思ったことはありませんか?
筆者もそういうことがよくあります。「この仕事を経験してなかったらできなかっただろうなぁ」などと感じることがよくあります。
介護職に就いている方も例外ではなく、業務で会得したスキルは日常生活の中でも大いに役立つものがたくさんあるかもしれません。
今回は、介護職で培ってきたスキルがどのように日常生活に応用できるのかを、現職者のアンケートを踏まえて考えていきたいと思います。
介護職で学んだことを調べてみる
ひと言に日常生活に応用できるといっても、現場で働いて何を学び、どのようなスキルを得たのかを知らなければ応用することはできません。
ここでは「介護職を経て学んだこと」でも、特に一般的によく耳にするものを紹介します。これらは介護職として求められるスキルとも言えるでしょう。
ムリをしないこと
業務の特性上24時間体制であることは言うまでもありませんが、人によってはムリがたたり、ヘルニアなどの健康問題に悩まされる方も少なくありません。
この仕事を長く続けて行くには「ムリをしすぎない」ことがとても大切なことのひとつです。
ムリをしすぎないことで心身にゆとりが生まれ、ご利用者様にいままでよりも良いサービスを還元できると言われています。
相手に合わせる能力
魅力ある介護職員の特徴のひとつが「相手に合わせる能力」と言われています。
介護の現場では、様々な価値観を持つご利用者様と接するため、時には不適切な発言や、失礼な言動を受けることもありますが、それを感情的に咎めるようなことは、介護職員は絶対にしません。ましてや和を乱してまで自分の主張を押し通すこともしないそうです。
また、ご利用者様同士の揉め事が起きた場合でも、その場を俯瞰的に(自分も含めて高いところから全体を見通す視点)観察し冷静に対処することが身に付くようです。
反省も大切な学び、成長の一歩であること
職場への慣れもありますが、仕事の動きが遅れがちになり、「もっと効率的に動けたはずなのに」と感じたり、先輩職員の指示をつい聞き逃してしまったりすることもあるかもしれません。こうした場面で、きちんと反省し、繰り返さないよう努力することが自分の成長のための第一歩だと捉える方もいます。
ここで紹介させていただいたものは、ほんの一部であり、実際には、もっと多くの「学び」が存在していることでしょう。
参考:Benesse 介護求人ナビ「介護は学びの多い仕事。まだまだ勉強したい!」より➚
介護のお仕事研究所 介護コラム「あなたは介護の仕事から、何を学んでいますか?」より➚
実際に介護職に従事している方に聞いてみた
先ほどご紹介した「学び」を念頭において、今度は実際に介護の現場で働くopsol株式会社の職員に、業務で得たスキルが日常生活に応用できるのかアンケートを取らせていただいたので拝見させていただきましょう。
アンケート1人目 Kさん
所属:パリアティブケアホーム はなの楠根
資格:介護士
Q1. 介護の現場で培ったスキルの中で、特に日常生活で使えると感じたものは何ですか?
A.
ご利用者様とお話する中でコミュニケーション能力の向上を感じました。
わたしは元々人見知りしやすく、会話が得意な方ではなかったのですが、お話をしていくことで、人見知りという大きな壁を乗り越えることができ、いろんな方と楽しくお話ができるようになりました。
Q2. 就業時の時間の使い方や業務の効率化について学んだことがあれば教えてください。
A.
これは休憩時間の話になりますが、「10分間の仮眠をすることが良い」と教えて頂いたことがあり、実施しております。実際に試してみると、仮眠後は頭の中がスッキリして、心なしか集中力が向上したように感じます。
作業の効率化についてはパソコンの作業の中で、マウスの代わりにキーボードを使う「コピー&ペースト」のショートカット操作を教えてえて頂きました。それまでマウス操作に頼っていたため、若干ではありますがわずらわしさが軽減されたと感じています。このテクニックは業務の時間短縮につながり、結果的に介護業務の効率化につながったと思います。
Q3. 介護現場での経験が、健康維持や体力維持にどのように役立っていると思いますか?
A.
もともと歩くことがあまり好きではなく、進んで行わなかったのですが、介護職に就いてからは階段での移動や歩く距離が増えることで、次第に歩くことに興味が湧いてきたのを覚えています。現在では歩くことが好きになり、毎日万歩計を着けて歩数を確認するほどです。「歩く」という行為で健康維持に取り組んでいるという実感に日々心躍らせています。
Q4. 介護職に従事することで得た「物事に対する心構えや考え方、物の捉え方」など、他分野や日常生活に応用可能と感じるものはありますか?
A.
「なにが起きるか分からない」と日々考えるように努めています。日々の物事に対して「もしかしたら」という「気づき」によって危険を予測することが身に付いたと思っています。この危険の予測は、お買い物に出かけるときの運転中や街を歩く時にも、事故防止の観点から有効だと感じています。
Q5. 「聞き上手」になるためのコツや方法は、業務から学び得ることはありましたか?
A.
聞き方については人それぞれに合ったものがあり、状況に応じた様々な聞く姿勢が必要なのだと学びました。
お話しをするときには目線を合わせることを意識し、できるだけ話しやすい雰囲気を作るように心がけています。話し相手に寄り添うことは言うまでもありませんが、その中でも、こちらから問いかけることで話が弾む方や、頷き傾聴することで話が弾む方など、ご利用者様によって反応はさまざまなのだと改めて感じました。
現在はホーム内だけではなく、日常生活の会話においてもその方に合った聞き方を考え、その方に適した声掛けはどうすれば良いかを学んでいるところです。
アンケート2人目 Nさん
所属:パリアティブケアホーム スタイルプラス にじの大蓮
資格:介護福祉士
Q1. 介護の現場で培ったスキルの中で、特に日常生活で使えると感じたものは何ですか?
A.
コミュニケーション能力が日常生活で活用できると感じています。
ご利用者様との信頼関係を築くために、日々どのように関わり、接することが適切であるのかを意識するようにしています。適切なコミュニケーションに欠かせない丁寧語が苦手なわたしでしたが、周りの方に教えて頂いたり、自分で調べたりすることで、少しずつではありますが身についてきたと感じています。
日常生活でも適切な言葉遣いや態度で相手に接することで、良い印象を与えるだけではなく、相手の立場や気持ちになって考えることが出来るようになりました。
もともとわたしはコミュニケーション能力が低い方で、自分から話しかける事が苦手でしたが、介護の仕事に就きコミュニケーション能力を身に付けることで、人と話すことが好きになりました。
Q2. 就業時の時間の使い方や業務の効率化について学んだことがあれば教えてください。
A.
1つ目は、就業時間前に一日のスケジュールや訪問時間外にすべきことを確認する
ことです。わたしはToDoリストを作成し、作業を終えた項目に☑を記入することで自身でも業務管理を行っています。これにより業務忘れを予防することができます。
2つ目は作業の進め方についてです。作業を行なう際は、ダラダラと時間をかけるのではなく、「〇時から〇時まで」と時間を決めて行うようにしています。こうすることで仕事にメリハリを付けて取り組むことができ、業務の遅れが他の業務に影響を及ぼすことを防ぐことができます。
Q3. 介護現場での経験が、健康維持や体力維持にどのように役立っていると思いますか?
A.
わたしは数年前に産休・育休を取り、身体を動かさない日が続いた際、下肢(股関節から足先までの部分)の筋力が低下したことにより、膝折れ(歩行時などに膝が突然折れてしまう現象)を経験し、困っていました。しかし、介護の仕事に従事するようになって、ご利用者様の移乗・移動補助、体位交換、排泄介助など、筋力を必要とする介助を行うことで、自然と筋力が付き、今では膝折れを起こすこともなくなりました。
Q4. 介護職に従事することで得た「物事に対する心構えや考え方、物の捉え方」など、他分野や日常生活に応用可能と感じるものはありますか?
A.
訪問介護の仕事に従事してから、時間の管理や計画性が大事であると実感し、日常での時間の使い方を見直すきっかけになりました。
それまで、プライベートでは計画的に活動していなかったのですが、計画を立てるようになったことで、効率よく活動でき、時間を有効に使えるようになってきました。
Q5. 「聞き上手」になるためのコツや方法は、業務から学び得ることはありましたか?
A.
Q1の回答と重複する部分もありますが、ご利用者様が自分の気持ちを訴える事が
難しい場合、応えやすいような質問をするようにしています。例えば、「はい」「いえ」の2択で答えていただける質問をしたり、ご利用者様の考えていることを推察しこちらから問いかけを行ったりすることなどです。また、言葉の聞き取りが難しい時は、文字盤を活用することもあります。
限られた訪問時間の中では、ゆっくりお話を聞くことが難しい時もありますが、急いでいる時でも「ご利用者様のペースに合わせること」「お話を途中で終わらせずに最後まで聞くこと」「ご利用者様の気持ちに共感すること」を常に心がけています。
わたしは感情移入しやすく、共感しすぎると自分自身が泣いてしまうことがあるので、適切な距離感を保ちつつ共感するように気を付けることも業務から学んだことのひとつです。
みなさん。ご協力ありがとうございました!
まとめ
介護職を通じて学び得たスキルは、仕事の域を超えて日常生活にも深く関わっていることを実感しました。この様なスキルは、ご利用者様やそのご家族、同僚、さらには地域社会においても重要な役割を果たしてくれることは間違いないでしょう。
改めて自分が従事している職業を見つめ直し、日常生活に使えるスキルを探してみるのも自分自身を見つめ直す良い機会になるのではないでしょうか。もしかしたら、自分が気づかないうちに活かされているスキルがあるかもしれませんね。
opsol株式会社ではご利用者様もスタッフも「自分らしい生活」を実現させる企業を目指し、弊社に関わるすべての人々に安心と幸せを届けられるよう、常に「最適解=optimal solution(オプティマルソリューション)」を探求しています。
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所在地:大阪府岸和田市磯上町1丁目3番29号【愛知県】
■パリアティブケアホームそらの春日井
所在地:愛知県春日井市松河戸町3丁目8番地7■パリアティブケアホームつきの小牧
所在地:愛知県小牧市小牧5丁目315